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その背中に焦がれて(ヴァンラジネタSS)

※ヴァンガード二次創作小説です
※ほぼ一発書きなので表現の甘いところは許して下さい(´∀`;)











 「君、ちょっといいかな」


 気分転換に訪れた隣町でアイチは後ろから声をかけられた。
 反射的に振り向くと、そこには人の良さそうな50歳代の男が立っていた。
 しかし、目の前の男の表情とは反対にアイチの顔は瞬時に強ばってしまった。
 なぜならば、その男が青色の制服――警察官の制服を着ていたからだ。
 何もやましいことはしていなくても、警察官を前にすると緊張してしまうのが日本人というものである。気の弱いアイチならなおさらだ。


 「は、はい、なんでしょうか」
 「君、今日学校はどうしたの?この近くの学校?」


 少し上擦った声で返事をするアイチに対して、警察官の方は慣れたもので淡々と言葉を紡ぐ。その言葉端からはどことなく咎めるような雰囲気が感じられた。


 「・・・・・・え、学校、ですか?」
 「そう学校。君、中学生か高校生だろ?平日のこんな時間に街中を1人うろついているなんて・・・」


 まさかこんな大人しそうな子が学校をサボって堂々と街で遊んでいるだなんてなぁ、という心の声が聞こえそうな言いぶりをする警察官を前にして、アイチは下を向いてもごもごと何やら言いたげにしていたが、思い切った表情で警察官を見上げ、こう言い放った。



「僕、26歳です」



 沈黙が訪れた。

 その後20秒ほど、26歳ですと言った方も、26歳ですと言われた方も、まるで語る口を無くしたかのように一言も発しなかった。結局、次に口を開いたのは26歳ですと言われた方。


「に、26歳・・・?悪いけどお勤めは・・・」
「に、26歳です。えと、週末出勤したから、今日は代休で・・・」


 16歳の間違いではないだろうな、と「に」を強調して確認するが、恥ずかしそうに、しかしハッキリと「に」じゅうろく歳だと言われてしまい、絶句する警察官。童顔にもほどがある。



 そのまままた気まずい沈黙に戻る・・・と思われたが、その場に通りかかった男によってその事態はなんとか阻止された。


 「・・・アイチじゃないか」
 「か、櫂くん!」
 「あぁ、そ、それではここで。どうも失礼しました」

 警察官はこれ幸いと立ち去り、その場にはアイチと櫂、向き合う2人が残された。


 櫂くん、と呼ばれた男はスラリとした身体で黒いスーツを身に纏い朱色のネクタイを締め、書類ケースを横に携えていた。 アイチはその立ち姿に少し見とれた後、そっと自分の格好に視線を巡らせてため息をついた。
 中学生の時より身長は少し伸びたとはいえ、それでも160cmとちょっと。顔も少し大人びたがまだまだ世間でいうところの童顔で、それに地味な白いシャツと普通のジーンズを合わせている姿は、あの警察官だけでなくても中高生と間違えるのも無理はない。


 『普段はスーツだから大学生と間違えられたりはしてたけど、中高生かぁ・・・・・・僕も櫂くんみたいだったらなぁ・・・・・・大人になったら2つや3つの歳の差なんてほとんど変わらないというけれど、それでもやっぱり櫂くんと僕は全然違う・・・・・・』

 「・・・・・・おい、アイチ」
 「あっ、ご、ごめん!」


 黙りこくってしまったアイチを見かねて、櫂は呆れた声を出した。
慌てて顔を上げ、櫂の目をしっかりと見つめるアイチ。
10数年前、カードキャピタルで何度も繰り広げられた光景がそこにあった。


 「櫂くん、えと、3年ぶり、かな」
 「・・・・・・そうだな。あの全国大会が最後か」


 社会に出て働くようになってからは、仕事の都合もあり、毎回大会に足を運ぶのは難しくなっていたため、この2人の参加が重なったのは3年前の大会が最後だった。
 櫂の一匹狼気質とアイチの引っ込み思案な性格が災いし、10年経った今でも大会で出会った時に少し会話を交わすのみで、電話はおろかメールをやりとりすることもなかったので、今この時が正真正銘の「3年ぶり」であった。


 「あれ、でも確か今は隣の県で仕事してるって三和くんが・・・」
 「今日は打ち合わせでここにきた」
 「そ、そうなんだ」


 久しぶりの再会にドキドキしながら、アイチがふと浮かんだ疑問をそのまま口にすると、一切無駄のない答えが返ってきて、少し気圧されるような形になった。感情のあまりこもっていないこの低い声を聞いて、怒られている気分にならないと言ったら嘘になる。

 ただ、この以前と変わらない口振りに懐かしくなったのも確かで。
 気が付くとアイチの口から「あの、」という言葉が漏れていた。


 「あの、もし時間があったらカードキャピタルに行かない?て、店長が櫂くんのこと懐かしがってたよ。それに店内も改装してだいぶ変わったんだ」
 「仕事中だ」
 「そ、そうだよね・・・・・・あはは」


 櫂は一切表情を変えずにこれまた簡潔な答えを返し、苦笑いするアイチの隣をそのまま通り過ぎた。別れを告げようと慌てて振り返ったアイチの視界に入ったのは、アイチの斜め後ろで歩を止めて書類ケースを抱え直す櫂の姿。



 「あと一件」
 「え?」
 「あと一件で打ち合わせは終わり、今日の仕事はそれで終わりだ」


 櫂はそう言うと何事もなかったかのように再び歩きだした。
 その背中はどんどん小さくなり、そのうち通行人にまぎれて見えなくなった。


 今日の仕事はそれで終わり。と、アイチは頭の中で櫂の言葉を繰り返す。


 「それって・・・・・・」


 打ち合わせが終わったらカードキャピタルに寄ってもいいっていうこと?



 アイチは口元がほころぶのをおさえられなかった。















会社員の方は直帰の場合は寄り道せずに帰りましょうね☆←
26歳なのに中高生に間違えられるアイチ!可愛い!と思って一気に書きました。



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【過去SS】
ある日の櫂くんのお昼寝風景 (立ちヴァン#22ネタSS)



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| ヴァンガード二次創作・妄想 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

1. 無題


ア、アイチ乙女すぎっぞ!
26歳で中高生に間違えられる程童顔・・・可愛いですね!
私が思うに櫂くんたちも見た目変わらないと思うんですよね・・・問題はカムイくんやエミちゃんで!
背も伸びたりカムイ君なんかは声変わりもありますよね。私のイメージ不足なだけなんでしょうが予想がつきません・・・(笑)

| ロキ | 2011/11/24 11:30 | URL | ≫ EDIT

2. 無題


読んで下さってありがとうございます><*
どんだけ童顔なんだよ!と思いながら書きましたw
ラジオに投稿した方の素顔が知りたくてしょうがないです…
カムイくんは声変わりした後結構身長伸びるんじゃないでしょうか笑
エミちゃんは可愛く育つでしょうね、なんせあの美人なママさん!!

| とら子 | 2011/11/25 11:56 | URL | ≫ EDIT















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